名前

aio_cancel - 完了していない非同期 I/O リクエストをキャンセルする

書式

#include <aio.h>
int aio_cancel(int fd, struct aiocb *aiocbp);
-lrt でリンクする。

説明

aio_cancel() 関数は、ファイルディスクリプター fd についての完了して いない非同期 I/O リクエストをキャンセルしようとする。 aiocbp が NULL の場合、そのような全てのリクエストがキャンセルされる。 aiocbp が NULL でない場合、 aiocbp で指された制御ブロックで記述されたリクエ ストのみがキャンセルされる。( aiocb 構造体の説明は aio(7) を参照)
キャンセルされたリクエストに対して、通常の非同期通知が起こる ( aio(7)sigevent(7) を参照)。 リクエストの返り値 ( aio_return(3)) は -1 に設定され、 リクエストのエラー状態 ( aio_error(3)) は ECANCELED に設定される。 キャンセルできないリクエストの制御ブロックは変更されない。
リクエストがキャンセルできない場合には、 aio_cancel() は通常の I/O 操作の実行後と同じように終了する。 (この場合、 aio_error(3) はステータス EINPROGRESSS を返す)。
aiocbp が NULL でなく、かつ fd が非同期操作が開始されたファイルディスクリプターと異なる場合、 生じる結果は不定である。
どの操作をキャンセルできるかは、実装定義である。

返り値

aio_cancel() 関数は以下のいずれかの値を返す。
AIO_CANCELED
全てのリクエストが正常にキャンセルされた。
AIO_NOTCANCELED
指定されたリクエストのうち少なくとも一つが、実行中のため キャンセルできなかった。この場合には、 aio_error(3) を使って 個々のリクエストの状態を確認できる。
AIO_ALLDONE
呼び出しの前に全てのリクエストがすでに完了していた。
-1
エラーが発生した。 errno を確認することでエラーの原因を知ることができる。

エラー

EBADF
fd が有効なファイルディスクリプターでない。
ENOSYS
aio_cancel() は実装されていない。

バージョン

aio_cancel() 関数は glibc 2.1 以降で利用できる。

属性

この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース 属性
aio_cancel() Thread safety MT-Safe

準拠

POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

aio(7) を参照。

関連項目

aio_error(3), aio_fsync(3), aio_read(3), aio_return(3), aio_suspend(3), aio_write(3), lio_listio(3), aio(7)

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。