NAME

gfarm - Gfarm ファイルシステム API ライブラリ

SYNOPSIS

#include <gfarm/gfarm.h>

DESCRIPTION

Gfarm ライブラリは,Gfarm ファイルシステムや,スケジューリング 機能に対するインターフェースを提供します.このマニュアルはライブラリ の概要を記述します.各関数の詳細は,関数単位のマニュアルを参照して ください.

初期化/終了処理

gfarm_initialize() 関数は Gfarm ライブラリの初期化に, gfarm_terminate() 関数は Gfarm ライブラリの終了処理に用います.

ファイル入出力処理

既存のファイルをストリームとしてオープンするには gfs_pio_open() 関数を, 新規ファイルを作成してストリームとしてオープンするには gfs_pio_create() 関数を用います. ファイルのクローズは gfs_pio_close() 関数を使います.
gfs_pio_error() 関数はオープンしているストリームに関してエラーが生じているか を判別し, gfs_pio_eof() 関数は読み込みオープンしているストリームがファイル 末尾に達しているかを判別します. gfs_pio_seek() 関数は,ストリーム中の現在位置を変更します.
gfs_pio_getc() 関数はストリームから一文字読み込み, gfs_pio_ungetc() 関数は逆に読み込んだ一文字をストリームに戻します. gfs_pio_getline() 関数や gfs_pio_gets() 関数, gfs_pio_readline() 関数は,ストリームから一行を読み込み, gfs_pio_readdelim() 関数は,ストリームから指定したデリミタまでを読み込みます. gfs_pio_read() 関数は,ストリームから指定したバイト数だけ読み込みます.
gfs_pio_putc() 関数はストリームへ一文字書きだし, gfs_pio_putline() 関数や gfs_pio_puts() 関数はストリームへ一行書きだします. gfs_pio_write() 関数は,ストリームへ指定したバイト数だけ書き込みます. gfs_pio_flush() 関数や, gfs_pio_sync() 関数, gfs_pio_datasync() 関数は,バッファリングしているデータを記憶装置に書き出します. gfs_pio_truncate() 関数は,ファイルのサイズを変更します.

ディレクトリアクセス

gfs_opendir() 関数でディレクトリをオープンすると, gfs_readdir() 関数で,そのディレクトリを構成するエントリを得ることが できます.オープンしたディレクトリへのアクセスは, gfs_closedir() 関数で終了します.
gfs_glob_init() 関数で初期化した gfs_glob_t を gfs_glob() 関数に渡すことで,ワイルドカードの展開を行うことが できます. 利用が終わったら,この領域は gfs_glob_free() 関数で開放します. gfs_glob_add() 関数は,gfs_glob_t にエントリを追加するのに用います.

ファイル/ディレクトリ操作

gfs_chmod() 関数でファイルのモードを変更し, gfs_chown() 関数でファイルの所有者を変更し, gfs_utimes() 関数でファイルの更新時刻とアクセス時刻を変更します.
gfs_mkdir() 関数はディレクトリを作成し, gfs_rmdir() 関数はディレクトリを削除します. gfs_unlink() 関数はファイルを削除し, gfs_rename() 関数はディレクトリやファイルを改名します.
gfs_stat() 関数は指定したファイルあるいはディレクトリのサイズや 更新時刻などの情報を返します. この関数が返した gfs_stat 構造体は gfs_stat_free() 関数を用いて解放する必要があります.

アクセスコントロールリスト (ACL) 操作

gfs_acl_init() 関数は ACL 構造体 (gfarm_acl_t) を初期化し, gfs_acl_free() 関数で ACL 構造体を開放します. gfs_acl_dup() 関数は ACL 構造体を複製します.
gfs_acl_create_entry() 関数は ACL 構造体の ACL エントリ (gfarm_acl_entry_t) をひとつ生成して追加し, gfs_acl_get_entry() 関数で ACL 構造体の ACL エントリをひとつ取得し, gfs_acl_delete_entry() 関数で ACL 構造体の ACL エントリをひとつ削除します.
gfs_acl_valid() 関数は ACL 構造体が有効な形式かどうか確認します. gfs_acl_check 関数ならばより詳しく確認できます.
gfs_acl_calc_mask() 関数は ACL 構造体の GFARM_ACL_MASK タグのエントリを計算 して,GFARM_ACL_MASK が既に存在すれば上書きし,存在しなければ作成します.
gfs_acl_get_tag_type() 関数は ACL エントリから ACL タグ (gfarm_acl_tag_t) (ACL エントリの種類) を取得します. gfs_acl_set_tag_type() 関数は ACL エントリの ACL タグを差し替えます.
gfs_acl_get_permset() 関数は ACL エントリから ACL パーミッションセット (gfarm_acl_permset_t) を取り出します. gfs_acl_set_permset() 関数は ACL エントリへ ACL パーミッションセットを差し替えます.
gfs_acl_add_perm() 関数は ACL パーミッションセットに ACL パーミッション値 (gfarm_acl_perm_t) を追加します. gfs_acl_clear_perms() 関数は ACL パーミッションセットからすべての ACL パーミッション値をクリアします. gfs_acl_delete_perm() 関数は ACL パーミッションセットから ACL パーミッション値をひとつ削除します.
gfs_acl_get_qualifier() 関数は ACL エントリから,ユーザ名またはグループ名を取得します. GFARM_ACL_USER または GFARM_ACL_GROUP タグの ACL エントリから取得できます. gfs_acl_set_qualifier() 関数は ACL エントリに対して,指定したユーザ名またはグループ名を 差し替えます.
gfs_acl_delete_def_file() 関数は,ファイルやディレクトリからデフォルト ACL を削除します. gfs_acl_get_file() 関数は,ファイルやディレクトリから ACL 構造体を取得します. gfs_acl_set_file() 関数は,ファイルやディレクトリの ACL 構造体を差し替えます. 事前に gfs_acl_sort 関数でソートしてください.
gfs_acl_to_text() 関数は ACL 構造体を ACL 文字列形式に変換します. gfs_acl_to_any_text 関数のほうがより高機能です. gfs_acl_from_text() 関数は ACL 文字列形式から ACL 構造体に変換します.
gfs_acl_get_perm() 関数は ACL パーミッションセットの中から ひとつのパーミッションをテストします.
gfs_acl_check() 関数は ACL 構造体が有効な形式かどうか確認します. また,エラーの場所とエラーの種類がわかります. gfs_acl_valid 関数よりも高機能です. gfs_acl_error() 関数は gfs_acl_check 関数のエラーを文字列に変換します.
gfs_acl_entries() 関数は ACL エントリの数を数えます.
gfs_acl_equiv_mode() 関数は,ACL 構造体が基本 ACL (GFARM_ACL_USER_OBJ, GFARM_ACL_GROUP_OBJ, GFARM_ACL_OTHER) だけで構成されているかどうか確認します. また,基本 ACL 部分から gfarm_mode_t に変換できます.
gfs_acl_cmp() 関数は二つの ACL 構造体を比較します.
gfs_acl_from_mode() 関数は gfarm_mode_t から ACL 構造体を生成します.
gfs_acl_to_any_text() 関数は ACL 構造体を ACL 文字列形式に変換します. 出力形式をオプションなどで変更できます. gfs_acl_to_text 関数と比べて高機能です.
gfs_acl_to_xattr_value() 関数は ACL 構造体を拡張属性に格納するための ACL バイナリデータに変換します. 事前に gfs_acl_sort 関数でソートしてください. gfs_acl_from_xattr_value() 関数は拡張属性から取り出した ACL バイナリデータを ACL 構造体に変換します.
gfs_acl_sort() 関数は ACL 構造体を有効な形式となる順番にソートします.
gfs_acl_from_text_with_default() 関数は "default:" で始まる ACL エントリを持つ ACL 文字列を解釈し,アクセス ACL 構造体とデフォルト ACL 構造体を 2 個生成します.

エラーコード

ほとんどの Gfarm ライブラリの関数は gfarm_error_t 型の Gfarm エラーコー ドを返します。 gfarm_error_string() 関数は Gfarm エラーコードを表す文字列を返します。 gfarm_errno_to_error() 関数は errno を Gfarm エラーコードに変換します。 gfarm_error_to_errno() 関数は Gfarm エラーコードを errno に変換します。

文字列配列操作ユーティリティ

文字列配列を表す gfarm_stringlist 型の変数は, gfarm_stringlist_init() 関数で初期化し, gfarm_stringlist_add() 関数で文字列を一つ追加し, gfarm_stringlist_cat() 関数で文字列を複数追加し, gfarm_stringlist_free() 関数で解放することができます. 文字列配列の各要素文字列には gfarm_stringlist_elem() 関数あるいは GFARM_STRINGLIST_ELEM() マクロでアクセスすることができます. また,文字列配列を構成する文字列の数は gfarm_stringlist_length() 関数で得ることができます.
gfarm_strings_free_deeply() 関数は,文字列配列およびそれを構成する各文字列に対して 標準ライブラリ関数の free() を呼び出して解放します.

文字列配列操作ユーティリティマクロ

GFARM_STRINGLIST_ELEM(list, i)
gfarm_stringlist 型の list 引数が表す文字列配列の i 番目の要素を 表すマクロです.このマクロは左辺値として使えます. 値として評価した場合には gfarm_stringlist_elem() 関数と同一の結果を返します.
GFARM_STRINGLIST_STRARRAY(list)
gfarm_stringlist 型の list 引数が 表す文字列配列の先頭要素へのポインタを返します. 返り値は,文字へのポインタへのポインタとなります.