groff_ms - groff ms マクロ
groff -ms [
options... ] [
files... ]
groff -m ms [
options... ] [
files... ]
このマニュアルページは
GNU バージョンの ms
マクロの解説をします。
このマクロは、groff
文書整形システムの一部分です。
この groff ms マクロは、4.3
BSD Unix ms
マクロの文書化された機能と互換であるように設計されています。
しかし、次のような制限があります:
- •
- groff ms の内部は Unix ms
の内部とは同じではありません。
したがって、Unix ms
の実装の細部に依存する書式については、
機能しないとしてももっともでしょう。
- •
- タイプライタ様のデバイスには、サポートはありません。
- •
- バークレイ方言、特に、
TM や CT
マクロは、実装されていません。
- •
- groff ms では、
カットマーク
は提供しません。
- •
- 重複した行送りは許されません
(代わりに、大きな垂直行送りを使用して下さい)。
- •
- groff ms
は、互換モードでは機能しません
(例えば、 -C
オプションなど)。
- •
- エラー処理の方針については、groff
ms
は、沈黙したままエラーを無視
したりせず、エラーを検出してレポートします。
groff ms マクロは、GNU troff
の多くの機能を利用しています。
したがって、これは他のいかなる
troff
によっても使用できません。
ベル研の方言は、
BSD ms マクロにも groff ms
マクロのいずれにも実装されていません。
ある Unix ms
の文書には、数値レジスタの
CW と
GW
とが、それぞれカラム幅とガター幅
を制御する為に
使用できると述べられています。
しかし、ここでは事実はそうではありません。
これらの数値レジスタは、groff
ms
では使用できません。
リセットを引き起こすマクロはインデントを設定します。
インデントを変更するマクロはインデントを増減するのではなく、
むしろインデントを絶対的に設定します。
このことによって、独自のマクロを追加定義している文書に
問題が生じるかも知れません。
これを解決するには、
in
リクエストを用いずに、代わりに
RS や
RE
マクロを用いて下さい。
数値レジスタの
GS
は、groff ms
マクロによって 1
に設定されます。
しかし、この数値レジスタは
Unix ms
マクロでは使用されていません。
このレジスタの目的は、
Unix ms か groff ms
かのどちらによってフォーマットされているのかを確定する
必要のある文書によって利用されることです。
脚注はキープやディスプレイの中で安全に使用できるように実装されています。
自動的に番号を割り振る脚注をフローティングキープの中で使うことは、推奨
できません。
\** と
対応する
.FS
との間にもう一つの
\**
があるようにすると安全です。
その際には、次のようなことだけが要求されています。
つまり、各
.FS
は対応する
\**
の後に出現することと、
対応する
\**
の置かれる順番と同じ順番で
.FS
が出現することです。
文字列の
\*{ や
\*}
は、上付き文字を開始したり終了したりするのに使うことができます。
いくつかの Unix V10 ms
の機能が実装されています。
B,
I や
BI
マクロでは、第 3
番目の引数がオプションとして指定できます。
この引数は、現在のフォントで最初の引数の直前に印字されます。
B
と同じようなマクロ
CW があります。
これは、定幅フォントにします。
次の文字列は、groff ms
マクロを英語以外の言語に適合させるために
再定義することができます。
文字列 デフォルト値
REFERENCES References
ABSTRACT ABSTRACT
TOC Table of Contents
MONTH1 January
MONTH2 February
MONTH3 March
MONTH4 April
MONTH5 May
MONTH6 June
MONTH7 July
MONTH8 August
MONTH9 September
MONTH10 October
MONTH11 November
MONTH12 December
フォントファミリは、リセットで文字列
FAM
から取られて置き直されます。
初期化時にこの文字列が未定義であった場合は、現在のフォントファミリが
設定されます。
脚注のポイントサイズ、垂直行送り幅、そして段落間の行送り幅は、
数値レジスタの
FPS,
FVS, や
FPD
から取り出されます。
初期化時に、これらは、それぞれ
\n(PS-2,
\n[FPS]+2, および
\n(PD/2
に等しく設定されます。
しかし、これらのレジスタのいずれかでも初期化前に定義されていれば、
そのレジスタは、これらの値に設定されません。
(
.hy
リクエストによって設定される)ハイフネーションフラグは、
HY
レジスタから取られて設定されます。
これが初期化時に定義されていない場合には、
HY レジスタは 14
に設定されます。
右詰めのディスプレイは
.DS R および
.RD
を用いて利用可能です。
次のような慣行がマクロ、文字列そして数値レジスタの名前に行なわれています。
groff ms
マクロを使用する文書に利用出来る外部名は大文字と数字だけから
なります。
内部的には、マクロはモジュールに分割されます。
ある一つのモジュールの中だけで使用される名前は、
mudule*name
という形をしています。
定義されているモジュールの外部で使用される名前は、
module@name
という形をしています。
ある特別の環境に関わる名前は、
environment:name
という形をしています。
これらの名前は、
par
モジュールの中でのみ使われ、
name
には、モジュールは接頭辞としてつきません。
組み合わされた名前で配列を実装するのに使われるものは、
array!index
という形をしています。
以上より groff ms
では以下の名前を予約しています:
- •
-
*
を含んでいる名前。
- •
-
@
を含んでいる名前。
- •
-
:
を含んでいる名前。
- •
- 大文字と数字だけを含んでいる名前。
/usr/share/tmac/ms.tmac(
s.tmac
へのラッパファイル)
/usr/share/tmac/s.tmac
groff(1),
troff(1),
tbl(1),
pic(1),
eqn(1)
ms(7)