dvi2ps - DVI ファイルから PostScript
への変換
dvi2ps [
-D var=val] [
-F fontdesc] [
-K]
[
-R n] [
-S] [
-c output-file] [
-d]
[
-f n] [
-i file] [
-m n] [
-n
n] [
-o str] [
-q] [
-r] [
-s
file] [
-t n] [
-w] [
dvifile[
.dvi]]
これは、DVIファイルをPostScriptに変換して標準出力に出力するプログラムです。
dvifile
が与えられないときは、標準入力から読み込みます。
印刷のための設定はfontdescファイルによって与えられます。
-
-D var=val
- 変数 var の値を
val と指定します。
-
-F fontdesc
- fontdescファイルを指定します。
- -K
- includeされたPSファイルからコメントを除きます。
-
-R n
- プリンタの解像度を指定します(n
dpi)。
- -S
- 統計の印刷をします。
dvi2ps
には、一般的に開発者だけに関心があるフォントの利用などの情報に関する統計を
出力するバージョンがあります。
このような場合には、
-S
を指定することによって統計出力をおこないます。
-
-c output-file
- 標準出力にDVIから変換されたPostScriptファイルを出力する代わりに、
指定されたファイル
output-file
に出力します。
- -d
- デバッグの出力をします(たぶん使いたくないはずです)。
-
-f n
- 開始ページ番号を指定します(これは
TeX のページ番号 \count0
です)。
-
-i file
- 指定されたファイルを出力します。
指定されたファイルの内容は、PostScrit
Document Structuring Convenstion
でいうPrologの部分に出力されます。
-
-m0 | -mh | -m1 | -m2 |
-m3 | -m4 | -m5
- 文章を印刷するのに用いる
magstep を指定します。
これは DVI
ファイルの中の指定を無視します。
-
-m n
- ドキュメントを印刷するのに使う
magnification を指定します。
上記のmagstepに対応するのは
1000, 1095, 1200, 1440, 1728, 2074, 2488 です。
-
-n n
- 印刷部数を指定します。
-
-o str
- 印刷オプションを指定します。
有効なオプションは
letter, note, legal, tabloid, a3,
a4, a5, b4, b5, landscape,
letterlandscape, notelandscape, legalenvelope,
tabloidlandscape, a3landscape, a4landscape,
a5landscape, b4landscape, b5landscape, large,
small, manualfeed です。
この引き数は繰り返し指定することができます。
envelope は landscape
を、手差しを選択して標準の封筒の位置にだいたいあうように
ちょっと変更したものです。
- -q
- メッセージを出力しません。
変換を終了したページに関するメッセージなどを出力しません。
- -r
- ページを逆順に出力します。
普通は出力トレイに正しい順番に積み重ねられるように、DVI
ページは逆順に
処理されます。
このオプションは正順に処理します。
-
-s file
- 指定されたファイルを出力します。
指定されたファイルの内容は、PostScrit
Document Structuring Convenstion
でいうSetupの部分に出力されます。
-
-t n
- 終了ページを指定します。
- -w
- 警告メッセージを出力しません。
レーザプリンタに出力するのに必要なすべてのフォントが利用できない場合は、
dvi2ps
はフォントがない場合でも、DVI
ファイルの処理を続けて、警告メッセージを
出力します。出力された文書の該当する文字の部分は空白になります。
このプログラムは、PostScriptの絵を取り込むためのTeX
の
\special
コマンドをサポートしています。
TeXのソースの中で
\special{psfile=foo.ps}
と指定することによって、
foo.ps
のファイルの内容を(このファイルは
PostScript
プログラムです)その場所に
印刷することができます。
\special
コマンドが書かれた場所を
ユーザ座標の (0,0)
点として、
上、右方向にそれぞれ
x y
座標をとります。
単位はPostScript の point (1/72
inch)です。 従って通常、
\special
コマンドを書くまえに図のスペースを
あけておく必要があります。
Apple Macintosh
によって作られた絵(例えば、MacDraw,
MacPaintなど)は、
絵の左上を
\special
の点に設定します。この場合は、
\special
コマンドの後にスペースを空ける必要があります。
\special は次のような
keyword=value
の組を空白でくぎって、任意の数だけ引き数として指定できます。
- キーワード 値の種類
- (pointの寸法: 72 pt = 1 in)
- psfile string
- - 取り込む PostScript
ファイル
- epsfile string
- - 取り込む Encapsulated PostScript
ファイル
- hsize dimension
- - 最大幅
(クリッピング用)
- vsize dimension
- - 最大高さ
(クリッピング用)
負の値を指定すると、クリッピング領域を現在の位置よりも下にとります。
- hoffset dimension
- -
右へのオフセット
- voffset dimension
- -
上へのオフセット
- hscale number
- - x
軸のスケールファクタ
- vscale number
- - y
軸のスケールファクタ
- rotation number
- -
逆時計方向の回転角j
例:
\special{psfile=foo.ps hoffset=72 hscale=0.9 vscale=0.9}
foo.ps
というファイルの絵を1
インチ右へ移動して、
標準の 0.9
の大きさで印刷します。
hsize と
vsize は絵の (0,0)
点に対するもので、オフセットやスケールファクタに影響されません。
オフセットは
\special
の点に対するもので、スケールには影響されません。
Macintosh
の絵を取り込むときは、LaserPrep
ファイルが常駐しているか標準の
tex.ps
ヘッダファイルの最後に付け加えるなどをおこなってプリンタにダウンロード
されていなければなりません。
EPSFファイルの場合は、ファイル中の
%%BoundingBox:
情報をもとに絵を自動的に適切な位置に配置してクリッピングします。
eepic
に対応しています。
現在では、pxl, pk, gf
の各フォントファイルが使用できるようになりました。
更に日本語 PostScript
プリンタの内蔵漢字フォントを使用することもできます。
これの指定は
fontdesc
ファイルによっておこないます。
例:
dvi2ps -F fontdesc foo.dvi
foo.dvi ファイルを
ファイルの設定に従ってフォントを使用して出力する。
- *.dvi
- TeX DeVice Independent
出力ファイル
- /usr/local/share/texmf/fonts/.../
- デフォルトのフォントファイルのあるディレクトリ
- /usr/local/lib/dvi2ps/fontdesc
- デフォルトのfontdescファイル
tex(1)
プリンタによって出力できるドキュメントのサイズに制限があります。
(すくなくとも Apple LaserWriter
の場合は)
プリンタが VMerrors
になった場合は、
-f
や
-t
オプションを使って出力ページを選択して下さい。
Mark Senn
がこのプログラムの初期のバージョンである、
BBN BitGraph
用のドライバを作成しました。
Stephan Bechtolsheim, Bob Brown, Richard Furuta,James Schaad, Robert Wells
が
これを改良しました。
Norm Hutchinson がこれを SUN
に移植しました。 Neal Holts
が Apollo
に移植し、この時 PostScript
を出力するようにしました。
Scott Janes
はフォントを代用する機能を付け加えました。
Jean-Francois Lamy は PostScript
illustrationsのインターフェースを作りました。
桜井貴文が NTT jTeX 対応と PK
フォント対応、fontdesc対応にしました。
鷲坂光一が GF
フォント対応にしました。
風間一洋が EPSF, eepic
対応にしました。
(PostScript はAdobe Systems, Inc.
の登録商標です。)