getent -
名前サービス切り替えライブラリからエントリーを取得する
getent [option]... database key...
getent コマンドは、
名前サービス切り替えライブラリでサポートされているデータベースのエントリーを表示する。
名前サービス切り替えライブラリの設定は
/etc/nsswitch.conf で行う。
一つ以上の
key
引数が指定されると、
指定されたキーにマッチするエントリーだけが表示される。
key
が指定されなかった場合、
すべてのエントリーが表示される
(データベースで列挙
(enumeration)
がサポートされていない場合を除く)。
database には GNU C
ライブラリでサポートされているデータベースのいずれかを指定できる。
以下にそのリストを示す。
- ahosts
-
key
が指定されなかった場合、
sethostent(3), gethostent(3), endhostent(3)
を使用して hosts
データベースを列挙する。
これは hosts
を使うのと全く同じである。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
についてアドレスファミリー
AF_UNSPEC で getaddrinfo(3)
を呼び出し、
返された各々のソケットアドレス構造体を列挙する。
- ahostsv4
-
ahosts
を同じだが、
アドレスファミリーとして
AF_INET を使用する。
- ahostsv6
-
ahosts
を同じだが、
アドレスファミリーとして
AF_INET6 を使用する。
この場合の getaddrinfo(3)
の呼び出しでは
AI_V4MAPPED
も指定される。
- aliases
-
key
が指定されなかった場合、
setaliasent(3), getaliasent(3), endaliasent(3)
を使用して aliases
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について getaliasbyname(3)
を呼び出し、
結果を表示する。
- ethers
-
key
引数が一つ以上指定された場合、
結果が得られるまで、
それぞれの key
について ether_aton(3) と
ether_hostton(3)
を順に呼び出し、
結果を表示する。
ethers
では列挙はサポートされていない。
したがって、 key
は指定しなければならない。
- group
-
key
が指定されなかった場合、
setgrent(3), getgrent(3), endgrent(3)
を使用して group
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について、
数値であれば getgrgid(3)
を、
数値以外であれば
getgrnam(3) を呼び出し、
結果を表示する。
- gshadow
-
key
が指定されなかった場合、
setsgent(3), getsgent(3), endsgent(3)
を使用して gshadow
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について getsgnam(3)
を呼び出し、
結果を表示する。
- hosts
-
key
が指定されなかった場合、
sethostent(3), gethostent(3), endhostent(3)
を使用して hosts
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について gethostbyaddr(3) か
gethostbyname2(3) を呼び出し、
結果を表示する。
gethostbyaddr(3) か gethostbyname2(3)
のどちらを呼び出すかは、
inet_pton(3)
の呼び出しで、 key
が IPv6 や IPv4
アドレスか、
そうでないか、
判定され、その結果によって決まる。
- initgroups
-
key
引数が一つ以上指定された場合、
結果が得られるまで、
それぞれの key
について getgrouplist(3)
を呼び出し、
結果を表示する。
initgroups
では列挙はサポートされていない。
したがって、 key
は指定しなければならない。
- netgroup
- 1 個の key
を指定すると、 その
key を setnetgrent(3) に渡し、
getnetgrent(3)
を使って結果の 3
つ組の文字列 ( hostname,
username, domainname)
を表示する。
代わりに、 3 個の key
を指定することもできる。
3 個の key は hostname, username,
domainname と解釈され、
innetgr(3)
を使って対応する netgroup
があるか照合される。
netgroup
では列挙はサポートされていない。
したがって、 1 個か 3
個のいずれかの key
を指定しなければならない。
- networks
-
key
が指定されなかった場合、
setnetent(3), getnetent(3), endnetent(3)
を使用して networks
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について、
数値であれば getnetbyaddr(3)
を、
数値以外であれば
getnetbyname(3) を呼び出し、
結果を表示する。
- passwd
-
key
が指定されなかった場合、
setpwent(3), getpwent(3), endpwent(3)
を使用して passwd
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について、
数値であれば getpwgid(3)
を、
数値以外であれば
getpwnam(3) を呼び出し、
結果を表示する。
- protocols
-
key
が指定されなかった場合、
setprotoent(3), getprotoent(3), endprotoent(3)
を使用して protocols
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について、
数値であれば
getprotobynumber(3) を、
数値以外であれば
getprotobyname(3) を呼び出し、
結果を表示する。
- rpc
-
key
が指定されなかった場合、
setrpcent(3), getrpcent(3), endrpcent(3)
を使用して rpc
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について、
数値であれば getrpcbynumber(3)
を、
数値以外であれば
getrpcbyname(3) を呼び出し、
結果を表示する。
- services
-
key
が指定されなかった場合、
setservent(3), getservent(3), endservent(3)
を使用して services
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について、
数値であれば getservbynumber(3)
を、
数値以外であれば
getservbyname(3) を呼び出し、
結果を表示する。
- shadow
-
key
が指定されなかった場合、
setspent(3), getspent(3), endspent(3)
を使用して shadow
データベースを列挙する。
key
引数が一つ以上指定された場合は、
それぞれの key
について getspnam(3)
を呼び出し、
結果を表示する。
-
-s service,
--service service
- Override all databases with the specified service. (Since
glibc 2.2.5.)
-
-s database:service,
--service database:service
- Override only specified databases with the specified
service. The option may be used multiple times, but only the last service
for each database will be used. (Since glibc 2.4.)
-
-i, --no-idn
- Disables IDN encoding in lookups for
ahosts/getaddrinfo(3) (Since glibc-2.13.)
-
-?, --help
- Print a usage summary and exit.
- --usage
- Print a short usage summary and exit.
-
-V, --version
- Print the version number, license, and disclaimer of
warranty for getent.
getent
は以下のいずれかの終了ステータスを返す。
- 0
- コマンドが正常に完了した。
- 1
- 引数が不足しているか、
知らない database
が指定された。
- 2
- 指定された key
が database
で見つからなかった。
- 3
- この database
では列挙はサポートされていない。
nsswitch.conf(5)
この man ページは Linux
man-pages
プロジェクトのリリース
5.10
の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
https://www.kernel.org/doc/man-pages/
に書かれている。