名前

msync - ファイルをマップしたメモリーと同期させる

書式

#include <sys/mman.h>
int msync(void *addr, size_t length, int flags );

説明

msync() は mmap(2) を使ってメモリーにマップされたファイルの、 メモリー上のコピーになされた変更をファイルシステムに反映させる。 この関数を使用しないと、 munmap(2) が呼び出されるまで変更が書き戻される保証はない。 より正確には、ファイルのうち addr から始まり長さ length のメモリー領域に対応する部分が更新される。
The flags argument should specify exactly one of MS_ASYNC and MS_SYNC, and may additionally include the MS_INVALIDATE bit. These bits have the following meanings:
MS_ASYNC
Specifies that an update be scheduled, but the call returns immediately.
MS_SYNC
Requests an update and waits for it to complete.
MS_INVALIDATE
Asks to invalidate other mappings of the same file (so that they can be updated with the fresh values just written).

返り値

成功した場合、 0 が返る。エラーの場合、 -1 が返り、 errno が適切に設定される。

エラー

EBUSY
I flags に MS_INVALIDATE が指定されたが、指定されたアドレス範囲にロックが存在する。
EINVAL
addr が PAGESIZE の倍数でない。または、 flagsMS_ASYNCMS_INVALIDATEMS_SYNC 以外のビットが設定された。 または、 flagsMS_SYNCMS_ASYNC の両方が設定された。
ENOMEM
指定されたメモリー (またはその一部) がマップされていない。

準拠

POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.
この関数は Linux 1.3.21 で導入されたが、 ENOMEM ではなく EFAULT が使われていた。 これは Linux 2.4.19 で POSIX における値 ENOMEM に変更された。
msync() が使用可能な POSIX システムでは _POSIX_MAPPED_FILES_POSIX_SYNCHRONIZED_IO の両方が <unistd.h> で 0 より大きい値に定義される。 ( sysconf(3) を参照すること。 )

注意

POSIX では MS_SYNCMS_ASYNC のいずれかは必ず flags に指定しなければならないとされており、 実際にこれらのフラグのいずれかを指定しなかった場合 msync() が失敗するシステムもある。 しかし、 Linux ではこれらのフラグのいずれも指定せずに msync() を呼び出すことができ、 その場合の動作は (現在のところ) MS_ASYNC を指定した場合と等価である。 (Linux 2.6.19 以降では MS_ASYNC は実際には no-op (何もしない命令) である。 これはカーネルが正しく dirty ページを追跡し、必要に応じてストレージにそれらをフラッシュするからである。) Linux の動作に関係なく、アプリケーションの移植性を考慮し、将来も確実に動くようにするには、 MS_SYNCMS_ASYNC のいずれかを必ず flags に指定するようにすべきである。

関連項目

mmap(2)
B.O. Gallmeister, POSIX.4, O'Reilly, pp. 128–129 and 389–391.

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

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