pthread_attr_setstackaddr, pthread_attr_getstackaddr -
スレッド属性オブジェクトのスタックアドレス属性の設定/取得を行う
#include <pthread.h>
int pthread_attr_setstackaddr(pthread_attr_t *attr, void *stackaddr);
int pthread_attr_getstackaddr(const pthread_attr_t *attr,
void **stackaddr);
-pthread でコンパイルしてリンクする。
これらの関数は廃止予定であり、
使用しないこと。
代わりに
pthread_attr_setstack(3) と
pthread_attr_getstack(3)
を使うこと。
pthread_attr_setstackaddr() 関数は、
attr
が参照するスレッド属性オブジェクトのスタックアドレス
属性を
stackaddr
で指定された値に設定する。
この属性により、スレッド属性オブジェクト
attr を使って
作成されるスレッドが使用すべきスタックの位置が指定される。
stackaddr
は呼び出し側が割り当てたバッファー
(大きさは 少なくとも
PTHREAD_STACK_MIN
バイト)を指すべきである。
割り当てられたバッファーのページは読み書き両方が可能なページと
なっているべきである。
pthread_attr_getstackaddr() は、
スレッド属性オブジェクト
attr
のスタックアドレス属性を
stackaddr
が指すバッファーに入れて返す。
成功すると、これらの関数は
0 を返す。
エラーの場合、0
以外のエラー番号を返す。
エラーは定義されていない
(ただし、アプリケーションは正のエラーの
返り値を処理するようにすべきである)。
これらの関数は glibc
バージョン 2.1
以降で提供されている。
この節で使用されている用語の説明については、
attributes(7) を参照。
| インターフェース |
属性 |
値 |
|
pthread_attr_setstackaddr(),
pthread_attr_getstackaddr() |
Thread safety |
MT-Safe |
POSIX.1-2001
では、これらの関数が規定されているが、廃止予定となっている。
POSIX.1-2008
では、これらの関数の規定は削除されている。
これらの関数を使用しないこと!
これらの関数は移植性がある形では使用で
きない。なぜなら、これらの関数ではスタック領域がどちらの方向に伸びるの
かを指定する手段が提供されていないからである。
例えば、スタックが下向き
(アドレスが小さい方向)
に伸びるアーキテクチャー
では、
stackaddr
には割り当てられたスタック領域の
最も大きなアドレ
スの次のアドレスを指定する。一方、スタックが上向き
(アドレスが大きい
方向)
に伸びるアーキテクチャーでは、
stackaddr
には割り当てられた
スタック領域の
最も小さいアドレスを指定する。これに対して、
pthread_attr_setstack(3) と
pthread_attr_getstack(3)
が使用する
stackaddr
は、常に割り当てられたスタック領域の最も小さいアドレス
へのポインターである
(
stacksize
引数はスタックの範囲を指定する)。
pthread_attr_init(3),
pthread_attr_setstack(3),
pthread_attr_setstacksize(3),
pthread_create(3),
pthreads(7)
この man ページは Linux
man-pages
プロジェクトのリリース
5.10
の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
https://www.kernel.org/doc/man-pages/
に書かれている。