wcstok -
ワイド文字文字列をトークンに分割する
#include <wchar.h>
wchar_t *wcstok(wchar_t *wcs, const wchar_t *delim, wchar_t **ptr);
wcstok() 関数は、
strtok(3)
関数に対応するワイド文字関数に、
マルチスレッドセーフの動作をさせるための引数を追加したものである。
この関数を用いて、ワイド文字文字列
wcs
をトークンに分解すること
ができる。ここで、トークンは
delim
に列挙されている文字を含まな
い部分文字列として定義される。
検索は
wcs が NULL
でなければ
wcs
から開始され、
wcs が
NULL ならば
*ptr
から開始される。まず、全ての区切りワイド文字
がスキップされる。つまり、
delim
に含まれるワイド文字を超えるよう
にポインターが前に進められる。
ワイド文字文字列の終わりに達したら、
wcstok() は NULL を返して
トークンが全く見つからなかったことを示し、この後に
wcstok() を呼び 出しても NULL
が返されるように
*ptr
に適切な値を設定する。それ
以外の場合には、
wcstok()
関数はトークンの先頭を識別し、これを指す
ポインターを返す。ただしこれを行う前に、トークンの後にある、
delim
に含まれている文字をヌルワイド文字
(L'\0') に置き換えること
によってトークンを 0
で終端させる。さらに
*ptr を更新し、後で
wcstok() を呼び出した
際に、識別されたトークンの続きから検索できるようにする。
wcstok()
関数は次のトークンへのポインターを返す。トークンが見つから
なければ NULL を返す。
この節で使用されている用語の説明については、
attributes(7) を参照。
インターフェース |
属性 |
値 |
wcstok() |
Thread safety |
MT-Safe |
POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, C99.
関数に与えたワイド文字列
wcs
は、関数の動作によって完全に書き換
えられる。
以下のコードは、ワイド文字文字列に含まれるトークンを取り出しながら
ループする。
wchar_t *wcs = ...;
wchar_t *token;
wchar_t *state;
for (token = wcstok(wcs, " \t\n", &state);
token != NULL;
token = wcstok(NULL, " \t\n", &state)) {
...
}
strtok(3),
wcschr(3)
この man ページは Linux
man-pages
プロジェクトのリリース
5.10
の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
https://www.kernel.org/doc/man-pages/
に書かれている。