getpass -
パスワードを取得する
#include <unistd.h>
char *getpass(const char *prompt);
getpass():
- glibc 2.2.2 以降:
-
_XOPEN_SOURCE && ! (_POSIX_C_SOURCE >= 200112L)
|| /* glibc 2.19 以降: */ _DEFAULT_SOURCE
|| /* glibc <= 2.19: */ _BSD_SOURCE
- glibc 2.2.2 より前:
- なし
この関数は時代遅れ
(obsolete)
である。使用しないこと。端末のエコーを有効にせずに入力の読み込みを行いたい場合は、
termios(3) の
ECHO
フラグの説明を参照のこと。
getpass() 関数は
/dev/tty
(プロセスの制御端末)
をオープンし、文字列
prompt
を出力する。そして echo
をオフにし、一行
(「パスワード」)
を読み込み、端末の状態を元に戻して、再び
/dev/tty
をクローズする。
getpass()
関数は入力されたパスワード
(の最初の
PASS_MAX
バイトまで)
が書きこまれた、
スタティックなバッファーへのポインターを返す。
末尾の改行は含まれない。この文字列はヌルバイト
('\0') で終端される。
このバッファーは、以降の関数コールで上書きされるかもしれない。
エラーが起こると、端末の状態を復元し、
errno
を適切な値に設定して、NULL
を返す。
この関数は以下のような場合に失敗しうる。
- ENXIO
- プロセスが制御端末を持っていない。
/dev/tty
この節で使用されている用語の説明については、
attributes(7) を参照。
インターフェース |
属性 |
値 |
getpass() |
Thread safety |
MT-Unsafe term |
SUSv2
には存在するが、過去の名残
(LEGACY)
と位置付けられている。
POSIX.1-2001 で削除された。
GNU C
ライブラリの実装では、
/dev/tty
がオープンできない場合は
prompt は
stderr
に書き出され、パスワードは
stdin
から読み込まれた。
パスワードの長さには制限はなく、
行編集も無効にはされなかった。
SUSv2 によれば、
PASS_MAX
の値が 8
以下の場合は、この値は
<limits.h>
で定義されていなければならない。
いずれの場合でもこの値は
sysconf(_SC_PASS_MAX)
によって取得できる。
しかし、POSIX.2 は定数
PASS_MAX,
_SC_PASS_MAX と関数
getpass()
を取り下げた。 glibc
版は
_SC_PASS_MAX
を受け付け、
BUFSIZE
(例えば 8192) を返す。
この関数を呼び出したプロセスは、
できる限り早くそのパスワードを消去
(ゼロクリア) し、
クリアテキストのパスワードが
そのプロセスのアドレス空間で見えないようにすべきである。
crypt(3)
この man ページは Linux
man-pages
プロジェクトのリリース
5.10
の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
https://www.kernel.org/doc/man-pages/
に書かれている。