wall -
すべてのユーザに対してメッセージを書き込む
wall [
-n] [
-t timeout] [
-g group]
[
message |
file]
これは、util-linux 2.36 所収の
wall
コマンドのマニュアルである。お使いの
wall が util-linux
版以外の場合や、util-linux
版であっても、古いバージョンの場合は、この
wall
とは動作やオプションが違うかもしれない。そうしたときは、お手元の
wall
に付属する英語のマニュアルに当たってみていただきたい。
wall
コマンドは、現在ログインしているすべてのユーザの端末に、上記書式の
message (訳注:
短文)、または
file
の内容を表示する。そうしたものの指定がない場合は、
wall
対する標準入力を表示する。
wall は、ASCII 文字で 79
字より長い行は折り返し、短い行は
79
字になるまでホワイトスペースで埋める。また、行の末尾に復帰文字と改行文字を必ず入れる。
メッセージの受信拒否を選択しているユーザや、
メッセージの受信を機械的に拒否するプログラムを使っているユーザの端末に書き込めるのは、
スパーユーザだけである。
wall
を実行するのがスーパーユーザではない場合、
wall プログラムに set-user-ID
や set-group-ID
が設定されていると、
file
からの読み込みは拒否される。
-
-n, --nobanner
- バナー (訳注:
発信者情報)
を表示しない。
-
-t, --timeout timeout
- 端末への書き込みを
timeout
秒間試みてから、諦める。この
timeout
は、正の整数でなければならない。デフォルトの値は
300
秒だが、これは、モデム回線で端末を動かしていた時代の名残りである。
-
-g, --group group
- メッセージの表示を、引き数
group
で指定されるグループのメンバーに限定する。
引き数は、グループ名でも
GID でもよい。
-
-V, --version
- バージョン情報を表示して終了する。
-
-h, --help
- ヘルプを表示して終了する。
wdm がその一例だが、
utmp(5) の ut_type
データの先頭に 1 個の
':'
文字を置く一部のセッションは、
wall
のメッセージを受け取ろうとしない。
これは、書き込みエラーを避けるためである。
wall
コマンドが初登場したのは、AT&T
UNIX バージョン 7
だった。
mesg(1),
talk(1),
write(1),
shutdown(8)
この wall コマンドは、util-linux
パッケージの一部であり、Linux
Kernel Archive <
https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util-linux/>
から入手できる。